当財団(大谷暢順理事長、京都市山科区)は平成28年9月21日、同月23日の2日間、フランス・パリのユネスコ本部とパリ第7大学で日本のこころと文化を伝えるとともに、インバウンド観光等を促進する「京都市・パリ市友情盟約都市提携60周年記念プレ事業『クールジャパン 祭』」を行いました。共催は在仏日本国大使館とユネスコ日本政府代表部、参議院日仏友好議連、パリ第7大学で、経産省クールジャパンJLOPの助成事業。「官民一体」となる両日の事業には議連の山東昭子会長、参議院議員の山谷えり子、上野みちこの両氏、各国大使、フランスの政財界、文化人、学生等約820名が参加しました。
● 平成28年9月21日(水)~パリ・ユネスコ本部
官民一体で日本のこころと文化を世界へ 経済促進も
本催事は、一昨年の経産省クールジャパン採択事業、在仏日本大使館の後援事業としてパリ・プランタン百貨店で行った文化レセプション、昨年の経産省J-LOP:ローカライズ、プロモーション採択事業、在仏日本大使館、ユネスコ日本政府代表部の共催、京都市、パリ市、日仏友好議連等の協力からイナルコとユネスコ総本部で行った「クールジャパン 日本人の智恵 a パリ 2journees」に続く3度目の国際交流事業となります。
今回は日本の祭がユネスコ世界無形遺産に登録申請されたことから、祭を通して日本の「こころ」、文化、芸術、芸能等を紹介し、これを新たな付加価値にしたインバウンド観光と日本酒のブランド力UPに繋げるプロモーションも実施しました。
当日は席数450席の会場に約700人が集まり、入場待ちで長蛇の列ができるほどの盛況ぶりとなりました。催事は新作コンテンツ「祭 日本のすべて」「祭 日本のこころ」のDVD上映で幕開けし、「秩父音頭」等の勇壮な祭囃子が演奏された三味線の大谷祥子当財団参議と尺八の呉亜紫音氏による「祭コンサート」と続きました。
そして、主催者の大谷暢順当財団理事長、祥子参議、佐藤地ユネスコ日本政府代表部大使、来賓の参議院日仏友好議連の山東昭子、山谷えり子、上野みちこの三氏と節子・クロソフスカ・ド・ローラ氏が登壇、山谷氏の発声で賑々しく鏡開きを行いました。
大谷理事長、山東議員と節子氏の主催者挨拶、祝辞に続き、大谷理事長がテーマ「日本人と祭」で基調講演し、パリ・ソルボンヌ大学出身の大谷理事長は、神仏習合の信仰によって育まれた日本人の精神、祭に歓喜する心の深層等をフランス語で説明しました。
この後、学校法人国際文化学園、衣紋道高倉流東京道場の荘司礼子氏等による十二単ショー「日本の宮廷装束」と続きました。京都の「葵祭」等、祭と関係の深い華麗な十二単が着付けされると、来場者たちから感嘆の声が挙がりました。
そして、「祭 日仏の美とこころ」と題した日仏有識者によるシンポジウムとなり、パネリストの杉浦勉氏(パリ日本文化会館館長)、石井・リーサ・明理氏(照明デザイナー)、クリストフ・ジラール氏(パリ市第4区長)、ステファン・マルタン氏(国立ケ・ブランリー美術館長)がレジス・アルノー氏(フィガロ記者)の司会によって、日仏の文化等を話し合いました。最後にコンテンツ「日本人の智恵 和と恩の精神」のDVD上映を行いました。
催事後、会場受付周辺で、インバウンド観光と日本酒のプロモーションを実施、多くのフランス人たちを魅了しました。
- 定員を大幅に超える約700名が参加したユネスコ会場
- 祭コンサート (左:大谷祥子当財団参議)
- 山谷えり子議員の挨拶
- 鏡開き(左から、大谷参議、節子・クロソフスカ・ド・ローラ氏、上野みちこ議員、佐藤地ユネスコ日本政府代表部大使、山谷議員、山東昭子議員、大谷理事長
- 大谷理事長の主催者挨拶
- 山東議員の祝辞
- 来場者を魅了した十二単ショー(学校法人国際文化学園、衣紋道高倉流東京道場)
- シンポジウム(左から、フィガロ記者のレジス・アルノー氏、クリストフ・ジラールパリ市第4区長、ステファン・マルタン国立ケ・ブランリー美術館館長)
- (左から、照明デザイナーの石井・リーサ・明理氏、杉浦勉パリ日本文化会館館長)
- 日本酒、訪日観光のプロモーション
● 平成28年9月23日(金)~於パリ第7大学
大谷理事長が人類の精神救う新たな思想を提言
パリ第7大学は、大谷理事長がフランスの文学博士号を取得した大学であることから、本催事は「里帰り講演」と銘打たれたほか、大谷理事長が近々刊行する『不条理の世に対処する仏教』(仮題)の出版記念としても催されました。会場には木寺昌人在仏大使や山東、山谷、上野の三議員、学識者、日本語を学ぶ学生等約120人が参加。谷田部和彦パリ第七大学准教授の司会で、アントワーヌ・カゼ同大副学長、木寺大使の祝辞に続き、大谷理事長がテーマ「仏教 不条理の世は恐怖ではない」で講演しました。
釈尊や蓮如上人、ソクラテスやデカルト等、東西の先哲の言葉からユマニズム(ヒューマニズム)の限界を指摘。仏教に基づいた人類の精神を救う新たな価値観と思想を提言しました。
質疑応答では、学生等が「個人の救いと社会の救いの違いは?」等と問いかけ、大谷理事長もわかりやすくユーモアを交えて答え、活発で和気藹々(あいあい)とした雰囲気の中、繰り広げられました。
最後にコンテンツ「日本人の智恵 和と恩の精神」のDVD上映を行いました。
- アントワーヌ・カゼ パリ第7大学副学長の挨拶
- 木寺昌人在フランス日本大使の挨拶
- ユーモアを交えて質問に答える大谷理事長
- 活発に繰り広げられた質疑応答