本願寺文化興隆財団では令和7年3月28日、スリランカで在スリランカ日本大使館の依頼を受け、共催で同大使館改修竣工慶祝コンサートを行いました。翌29日には、スリランカ国営TV「ルパバヒニ」特別番組に出演、いずれも箏や日舞等の邦楽と、現地の若手音楽家や日本語を学ぶ学生たちが共演し、音楽を通じて両国の友好交流に資するイベントとして現地メディアに大きく取り上げられました。
演者は、大谷祥子当財団理事長(筝、歌)、一川明宏氏、今本健夫氏、倉本由美子氏(津軽三味線、胡弓、パーカッション、歌)、当財団総裁の大谷暢順台下と祥子理事長の長女・掬波氏(箏、日舞)、中川実苑氏(小鼓)、神田亜以子氏(箏)、現地のNYSC(国立青少年育成機関)と、日本の伝統精神を以て先端のIT技術等を学ぶ私立大学のINBTI。
日本の神仏習合と同じく、スリランカの仏教寺院ではヒンドゥー教の神が祀られています。異なる宗教や価値観を排除しない両国の信仰は近似するほか、両国民ともに他者や組織、自然、環境との調和を旨とする思想を有してきました。今回の事業は、世界に誇る両国の精神を音楽で奏で、国際社会に伝えることを目的に開催されました。
コンサートには、大谷実成当財団常務理事、ラニル前大統領や世界初の女性大統領となったチャンドリカ元大統領、デニッシュ前首相、カル元国会議長等、スリランカの首脳や文化人、学生等約90人が参集。大谷暢順台下、磯俣秋男日本大使、ラニル前スリランカ大統領への中川宗実氏による呈茶式で始まりました。
続いて、台下が挨拶全文を現地語のシンハラ語で行いました。日本人の「和の精神」から両国民の宗教観を解説、「両国の叡智を広く世界に伝え、混迷する国際社会の新たな光明、そして、両国の一層の文化交流の懸け橋になることを」と呼びかけると、会場から感銘の拍手が沸き起こりました。
現地の若手音楽家と共演
この後、磯俣大使、フェルナンド労働大臣のスピーチとなり、神仏習合をテーマにした邦楽コンサートに移りました。演奏曲は「北国のひびき」「屋島」「鳥のように」と日舞の「京の四季」、NYSCのヴァイオリンと共演した「月の波紋」、NYSCによるスリランカの伝統舞踊のほか、邦楽の演奏に合わせてNYSCが日本語で歌った「上を向いて歩こう」、NYSCとINBTIが財団のハッピや自前の浴衣姿で踊った「東京音頭」が賑々しく披露されました。
台下へ大使館から感謝の花束が贈られた後、茶話会となり、台下や祥子理事長、実成常務理事を囲んで現地の首脳や学生との歓談、写真撮影となり、両国の友好交流が促進されました。
また、翌29日の国営TV「ルパバヒニ」では、日本人演奏家とNYSC、INBTIによる「日本とスリランカの旅立ちと未来」と題した特別番組に出演。演奏に加えて、祥子理事長や掬波氏等へのインタビューも行われ、日本の文化と精神も紹介されました。
3月30日には台下、祥子理事長、実成常務理事等が日本大使公邸での晩餐会に招待され、今回の事業に対して磯俣大使から謝辞を受けたほか、神仏習合に基づく日本の伝統精神、思想の発信等を語り合いました。
挨拶を全文シンハラ語で行い、会場から感銘の拍手を受けた大谷暢順台下
世界に誇る両国の思想を音楽で奏でた大使館コンサート
あでやかな日舞を披露した大谷掬波氏
「東京音頭」で賑々しく大使館改修竣工を祝う
国営TV特別番組に出演