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スリランカ

津波本願寺佛舎 落慶法要 津波犠牲者追悼 文化と友好の架け橋にわが国初スリランカの国家式典へ 平成18年12月26日

ヘリコプターによる3万枚の花びらの空中散華

貴国では一昨年の大津波により、多くの尊い生命が失われましたが、あれ以来、はや二年の月日が経過しました。然し、この災害に夫々縁故の方々を亡くされた皆々様にとって、哀惜の情は何時迄も盡きる事はありますまい。御心中お察し申し上げます。

本願寺、並びに本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団)は、同じ佛教徒として、貴国の津波犠牲者への追悼の心を表し、さらには、佛教、及び、佛教文化による貴国国民の精神復興の為の希望のシンボルとして、高さ18.5メートルのバーミヤン・ブッダ像を擁した津波本願寺佛舎を、スリランカ政府との合同事業で、一度に多くの人命が奪われた列車転覆事故現場であるここペラリア・テルワッタの地に建立いたしました。

かかる事業に理解を示し、御協力下さる事となりましたスリランカ政府、スリランカ大菩提会、日本国外務省の皆様に、深く感謝しますと共に、またとない佛縁として、この津波本願寺佛舎が佛教、佛教文化興隆の為の国際的拠点となり、スリランカと日本の友好親善に資することを衷心より期するものであります。

  • 本願寺門跡
  • 当財団 理事長
  • スリランカ日本佛教文化友好協会会長
  • 大 谷 暢 順

世界の宗教史に刻む一大盛儀

本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団 理事長=大谷暢順御門跡台下)では、2004年末に起きたインド洋大津波の被害者追悼と佛教文化の施設「津波本願寺佛舎」をスリランカ政府の要請を受けて現地に建立し、津波被害二周年となる昨年12月26日に落慶法要を厳修しました。

法要は、我が国で初めてスリランカの国家式典として執行され、同国の首相をはじめ、閣僚、国会議員、知事、佛教各派の長老、地元住民ら約一千人が参列しました。 この事業は本願寺の文化を広く社会に伝えることによって、日本文化の高揚に寄与する財団の活動の一つ。日本国外務省の側面支援を受け、我が国初となるスリランカ政府との共同事業として、昨年5月から着工していました。

建立地は、津波により約千六百人が犠牲となった列車転覆事故現場付近となる同国南西部のゴール州ヒッカドゥワ市ペラリア。敷地は約千七百坪の広さで、テロによって破壊されたアフガニスタン・バーミヤン・ブッダ像を再興した高さ18.5メートルの大佛、御門跡様や大統領が記した津波犠牲者追悼碑などを建立しました。

式典では、御門跡様が現地のシンハラ語でお言葉を述べられたほか、マヒンダ同国大統領から御門跡様に感謝の盾が贈呈されました。また、三万枚の花びらをヘリコプターで蒔く空中散華や二千発の打ち上げ花火での献燈、東山浄苑護持会の参拝団やスリランカ政府閣僚、地元住民らによる往還燈籠の奉燈などと続き、両国のさらなる友好親善も誓い合いました。

津波本願寺佛舎落慶法要
大統領からの感謝の盾の贈呈
バーミヤン大佛の御像を受け取る御門跡様
法要に参列した政府閣僚、宗教者の代表者
東本願寺東山浄苑の
往還燈籠を奉燈、献燈

スリランカ大統領の祝辞

植物や動物には幾多の種類がありますが、人類には種別はなく、ひとつの人間であります。

種族という人間の区別は、私たち人間の心の中で起こりました。しかし、人間である私達は、皆ひとつの人類に属しているのであります。

そして、この真実を佛教徒たる私たちは、第一の義務として広く世界に伝えていかねばなりません。 この度、ひとつの人類である象徴として、津波本願寺佛舎のバーミヤン大佛が本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団)により、ペラリアに建立されました。テロリストが破壊した世界遺産であるアフガニスタンのバーミヤン大佛を復興することにより、同じ人類として平和への誓いを新たにするとともに、2004年12月26日の津波犠牲者追悼、被害にあった佛教寺院復興の意も込められています。

この功績は、当財団の理事長、日本の皇室ともゆかりのある本願寺の門跡・大谷暢順師の寄進に加えて、スリランカ大菩提会管長バナガラ・ウパッティッサ師の協力によるものであります。

ここにすべての津波犠牲者を悼みつつ、津波本願寺佛舎建立に携われたすべての人々に深謝いたします。

健康と幸福と平和がすべての人々にありますように。

スリランカ大統領
マヒンダ・ラージャパクサ

スリランカ大統領の祝辞

感謝の意を述べる首相

2004年、スリランカを襲った津波の犠牲者追悼、並びに、その復興のシンボルとして、本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団)が津波本願寺佛舎、バーミヤン大佛を建立し、スリランカ政府にご寄進いただいたことに深く感謝いたします。

我が国最大となる18.5メートルのバーミヤン大佛は、スリランカの佛教徒にとって大いなる希望であるとともに、スリランカを訪れる諸外国の人々にも必ずや注目されることでありましょう。

佛教徒である我々スリランカ人はこの寄進に対し、当財団理事長であり、日本の皇室とゆかりのある本願寺門跡、大谷暢順台下にあらためて敬意を表します。

さて、スリランカと日本は、長年にわたって友好関係を築き上げてきました。

両国の歴史上、最も重要となる津波本願寺佛舎の落慶法要が、津波被害から三回忌にあたる12月26日に執り行われること、誠に喜ばしく、感謝の念にたえません。

この勝縁が、両国の宗教、文化、そして、経済の発展にも大いに寄与し、さらなる友好親善につながるものと確信しております。

スリランカ首相
ラトナシリ・ウィクラマナーヤカ

麻生太郎外務大臣の祝辞

2004年12月末、インド洋大津波により犠牲になられたスリランカの人々を追悼するため、本願寺維持財団(当時:現一般財団法人本願寺文化興隆財団)が津波本願寺佛舎を建立されたこと、誠に喜ばしく、お祝い申し上げます。

あらためて、ここにスリランカにおける三万人以上の津波犠牲者、並びに、その遺族の方々にお悔やみ申し上げます。

その後、スリランカの人々は、救助や再建のために力を合わせ、復興への大いなる一歩を踏み出されています。

この津波本願寺佛舎がスリランカの人々のよりいっそうの結束と、国家の発展に向けた希望のシンボルになるとともに、日本、スリランカ両国の友好親善をより深める縁になることを心より祈念しています。

日本の諺に「災い転じて福と為す」があります。

この諺のように津波の大惨事を目の当たりにしたスリランカの人々が、協力し合って相互の信頼を新たに創造し、真の平和へと進まれることを願ってやみません。

日本国外務大臣
麻生 太郎