響流庭【こうるてい】
東山浄苑東本願寺境内には『響流庭』と名付けられた、京の名石「加茂七石」を配した庭園があります。その中には鞍馬石で作った石舟型の手水鉢があり、流れ落ちる水滴が地中の甕【かめ】に反響し、厳かな音を響かせる水琴窟となっております。
また、山科本願寺跡の方向を指差される本願寺第八世御法主蓮如上人【れんにょしょうにん】胸像を御安置しております。全国各地に蓮如上人の御像を御安置する寺院がありますが、殆どの御像が全身の御姿であり、東山浄苑東本願寺の蓮如上人胸像は、大変珍しい御姿だと言えます。
枯山水
枯山水とは、水を用いず、ただ地形によって山水を表わしている庭のことを言います。石組みを主として、水を表すのに砂礫を用い、その姿は、実際の水の姿よりもリアルに迫ってくることがあります。この手法は、室町時代に輸入した宋・明の山水画の影響を受けて作り出されたものです。
京都では、大徳寺や竜安寺の枯山水が有名ですが、東山浄苑東本願寺にも常楽堂と六角堂の間に枯山水があります。わずかなスペースを巧みに使い、奥行きの深い構図になっています。耳を澄ますと水の音が聞こえて来るのではないでしょうか。