御直教【ごじっきょう】
御直教【ごじっきょう】
相続講(そうぞっこう) ―護持から相続へ―
浄土真宗開立(かいりゅう)の祖、蓮如上人御在世時の室町期、消滅の危機に瀕していた本願寺が日本一の教団となったのは、講によるところが大きくありました。講とは各惣村(そうそん)の寄合(よりあい)に上人が設けた法座で、そこでは上人と惣民(そうみん)が信仰を語り合い、自らの信心獲得(ぎゃくとく)と佛法興隆に勤しんだのでした。時代は明治に下がり、講の精神は東本願寺第二十一世厳如(ごんにょ)上人に引き継がれます。
さて、蓮如上人御生誕(しょうたん)六百年の記念すべき平成二十七年、両上人御創設の講の理念を受け継ぎ、東本願寺東山浄苑で相続講が誕生します。
この相続講は、佛法興隆と一人(いちにん)でも多くの信心獲得を旨とする一大僧伽(さんが)を目指すとともに、日本佛教の再興、さらには、混迷する国際社会の新たな灯火となることをも期して歩みを始めます。
まずは、本年創立二十五周年を迎える東本願寺東山浄苑護持会役員がこの相続講発足の呼びかけ人となり、護持会が相続講の一員、すなわち、相続講護持会として、従来の佛恩報謝団等の活動を以て、佛法の「護持」から「相続」へと活動の輪を拡げられることに期待します。
さらには、護持会員だけではなく、当浄苑の納骨者の方々、当財団の事業の一つ、ジャポニスム振興会の会員の方々、加えて、広く一般市民、法人・団体の皆様にも呼びかけて、講員としての活躍を望みます。
翻って、当財団がスリランカやフランス等との宗教文化交流を深める中で、日本佛教は他の世界宗教と比べて布教、あるいは、その文化、芸術の発信の点で後塵を拝してきたように思われます。
また、国際情勢は混迷を極め、世界各地で紛争、紛議が絶えません。今こそ、世界に冠たる日本佛教の智慧(ちえ)を以て、人類の共存、共栄を目指す秋(とき)です。
この相続講が護持会をはじめ、広く社会から一人でも多くの講員を得て、御同朋(おんどうぼう)、御同行(おんどうぎょう)として当浄苑に手足を運んでもらい、日本佛教を再興せねばなりません。
そして、相続講がその柱となり、日本佛教の智慧を世界に伝えるべく、私は先陣を切って講員の皆様とともに歩む決意であります。
合掌
平成二十七年六月二十七日
本願寺門主
本願寺文化興隆財団参議
釋 樂 如
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お問い合せ先:東山浄苑東本願寺 尚書(総合受付)