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第5回活動報告

 子ども盆灯会 

 平成26年8月15日(金)

≪盂蘭盆会≫

東山浄苑では、昭和53年から盂蘭盆会期間中に盆灯会という行事を続けています。
ご先祖様への感謝の気持ちがこもったお提灯やろうそくが苑内に献灯されます。

≪盂蘭盆会とは≫

皆さんは「お盆」の意味を知っていますか?
「お盆」とは「盂蘭盆(うらぼん)」という語の略語です。「盂蘭盆」とは、「逆さ吊り」(サンスクリット語)や「霊魂」(イラン語)を意味する語と言われています。『盂蘭盆経』という中国のお経に、目連尊者が餓鬼道に堕ちて苦しんでいるお母様を救うために、お釈迦様のお示しに従って仏弟子を集めてもてなしたところ、お母様は救われたというお話があり、これが盂蘭盆会の由来とされています。(目連尊者のお話は後ほどの紙芝居の欄を見てください。)
以上のことから、盂蘭盆とは苦しんでいる死者を救う儀式を意味すると考えられます。このことから、仏教の諸宗では「施餓鬼」と言われるように、餓鬼道に堕ちて苦しんでいる死者や祖先を供養するための法要がお盆の時期に行われています。
浄土真宗では亡くなったご先祖様の供養のために行うのではなく、報恩感謝の意味でお勤めします。阿弥陀様の慈悲を仰いで、私たちが念仏を喜ぶ人となる事にお盆の意義があり、それが先祖の恩に報いる事にもなるのです。
また、浄土真宗では礼拝と聴聞を大切にしますので、ご家庭のお仏壇だけでなく、ご家族揃ってお寺にもお参りするようにしましょう。

≪子ども盆灯会≫

今回の活動は子ども盆灯会です。前回までの活動で制作した灯籠が献灯されます。
「子供盆灯会」とは、子供たちにも分かりやすく仏教に親しんでもらい、ご先祖様への感謝の気持ちを大切にしてもらおうと、7年前に始まりました。毎年、「親子佛法の集い」の活動に参加している子供たちによる手作りの灯籠が献灯されます。今年は蓮の花の形をした灯籠を制作しました。(制作の様子は第3回活動第4回活動をご覧ください。)


今年の子ども盆灯会は、初めてのお友達も含め、多くの方々が参詣しました。
最初に阿弥陀様にご挨拶をします。本願寺眞無量院御住職・霊眞院殿がご教導のもと、みんなで合掌、礼拝をして「南無阿弥陀仏」と称えました。


次はいよいよ献灯です。様々な色で彩られた灯籠が子供たちによってひとつずつ献灯されました。みんな緊張している様子でしたが、献灯されたたくさんの灯籠を見て、笑顔になりました。


ご先祖様を敬う気持ちを込めて献灯できたでしょうか?そして参詣してくれた皆様も仏様に出会えた事を喜ぶことができたでしょうか?
お子様だけでなく、大人の方やご家族皆様で参加することができますので、今年参詣できなかった方も来年はぜひ参詣してください。

≪お供えについて≫

いつも御本尊である阿弥陀様にお供えをしていますが、お供えの意味はご存じですか?
浄土真宗では、仏様へのお供えとして、香り・花・浄水(華瓶 けびょう)・お明し(おあかし)・お仏飯(おぶっぱん)の5つがあり、これを五供(ごく)と言います。これを見ると食べ物だけではないことが分かります。
では、何故お供えをするのでしょうか?
それは、私たち衆生をすくい取って極楽に往生させるという誓いをたてられた阿弥陀様に対する報恩感謝の気持ちの表れだとされます。これだけではよく分からないかもしれませんので、少し分かりやすくするために食べ物を例にして考えてみましょう。
昔はお米や野菜などの食料を自分で作っていました。それは、色々なものに助けられてできた作物。できた作物をまずは仏様へ感謝の気持ちを込めてお供えしました。そして、お供えした物を今度は仏様からの賜りものとして頂く。
作物ができたことに感謝して仏様にお供えし、仏様からのお下がりとしてお供えをありがたく頂く。その作物を食べて私たちはまた元気に働くことができ、新しい作物を作る事ができる。このように感謝の気持ちの連鎖がありました。
今では作物を自分で作る事が少なくなり、私たちはお供えだけでなく、自分達の食べる物も買うことが当たり前の生活をしています。でも自分で作らないのが悪いのではなく、今回のお供えのお話を通して、私たちが元気に学校へ通ったり、働く事ができるのは仏様のお陰であると感謝の気持ちを持つことが大切なのではないでしょうか。

≪本日の御法話「もくれんさんのおはなし」≫

今回はお盆の由来について紙芝居を鑑賞しました。

お釈迦様のお弟子・もくれんさん【目連尊者(もくれんそんじゃ)】は、亡くなったお母さんが死後の世界でどのように過ごしているか、修行によって得た不思議な力で探しに行きました。お母さんは天界にも地獄にもおらず、餓鬼道(飲食が自由にならず、飢えに苦しむ世界)という世界で、骨と皮ばかりの姿になって苦しんでいました。
この世界では、餓鬼たちが食べ物や飲み物を口にしようとすると、ボボボボーッと炎がふきだし、口をつけることができません。

驚いたもくれんさんは、お釈迦様に相談に行きました。そこで、もくれんさんは、自分には優しかったお母さんが、自分たちの幸せだけを思い、他の人や動物には施しを行わなかったため、餓鬼道に落ちてしまったのだと知りました。
また、お釈迦様はお母さんを救うには、その餓えて満たされない心を救わなければならないとおっしゃいました。そのためには、年に一度集まる大勢のお坊さんに、食べ物をさしあげなさいということでした。もくれんさんはお釈迦様の教えに従い、お坊さんに食べ物をさしあげ、お母さんや餓鬼たちが幸せな世界へ行けるように祈ってもらいました。

もくれんさんとお坊さん達の祈りが届き、お母さんは身も心も満たされたため、飢餓道から救われて天の世界へ行くことができたのでした。
もくれんさんが、お母さんのために幸せを祈ったお話。これがお盆のいわれです。

≪阿弥陀さまのお下がりをいただく≫

最後に阿弥陀さまのお下がりとして、すいかをいただきました。
残念ながら雨が降ってしまいましたが、お友達同士、雨音に負けないくらい賑やかに、子供盆灯会の思い出やご先祖様への感謝の気持ちをお話しながら、楽しく頂きました。
今日の活動で心に残ったことや学んだ事を、お家に帰ってご家族やお友達とお話してみてください。


次回活動は9月14日(日)、10月19日(日)の予定です。(詳細はこちらをご覧ください。)

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